上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダのシャンシャン(メス5歳)が、19日に最終公開されました。21日に中国に返還されるシャンシャンに会える最後の1日を、タイムラインで詳報します。
(最終公開は抽選制で 受け付けは終了しています)
9:30
抽選外れたけど…「同じ空気吸いたい」
上野動物園の正門前では、開園時間前から、入園を待つ人たちの長い列ができた。シャンシャンの最終観覧の抽選に当たった人のほか、父親リーリーと母親シンシン、双子のシャオシャオとレイレイを一目見ようという家族連れらが大勢詰めかけた。
キーホルダーなどパンダグッズを身につけた人や、大きなぬいぐるみを抱えた人も。さいたま市の40代女性は、「抽選に外れたのでシャンシャンは見られないけど、今日が最後なので同じ空気を吸いたいと思って来ました」と話した。
開門時間になると同時に行列が動き、続々と園内に入っていた。
11:00
「大好きなシャンシャンの記念に」 グッズ販売や写真展
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」が21日に中国へ渡るのを前に、同園で19日、最終公開が行われている。
上野動物園近くの松坂屋上野店の2階にある「上野案内所」は、シャンシャンの缶バッチ、ポストカード、アクリルスタンドなどを買い求める人らでにぎわっている。
200種類以上のパンダグッズを取りそろえ、ファンの間では「パンダ案内所」と呼ばれる。東京都墨田区の中川美紀さん(44)は「大好きなシャンシャンの記念になれば」とぬいぐるみを購入していた。
店内特設会場では、シャンシャンの写真920枚を並べた「毎日シャンシャン写真展」が開催中で、ファンや買い物客らがお気に入りの写真をスマートフォンで撮影していた。
13:00
友人と駆けつけパンダ舎の近くに
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」が21日に中国に渡る。最終公開となる19日、園の正門前では朝に開園を待つ人が行列をつくり、昼過ぎでも絶えなかった。
最終公開は事前抽選制。千葉県松戸市の会社員麻井まりさん(48)は抽選には外れたが、「シャンシャンと同じ空気が吸いたい」と友人と一緒に駆けつけた。「パンダ舎の近くまで寄ってみました。見えなくてもそこにいるだけで胸がいっぱいです」と話した。今日は一日中、園で過ごす予定という。「シャンシャンを少しでも感じたい」
東京都足立区の三浦弘美さん(57)も抽選には外れたが、「会えないけど、お別れがしたい」と足を運んだ。パンダの中でも誕生から見守ったシャンシャンが一番好きだという。「今までありがとう。中国に会いに行くね」
13:30
JR上野駅内ではオリジナルポスターが配布
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」が中国に渡る前、19日に最終公開され、近くのJR上野駅内の商業施設「エキュート上野」ではシャンシャンのオリジナルポスターが買い物客に配布された。
エキュート内の各店舗で19日に計3千円以上購入したレシートと引き換えに、B2サイズのポスター1枚をプレゼントする企画。200枚の整理券はすぐになくなったという。
ササをほおばるシャンシャンの写真のポスターを受け取った人からは、「かわいい!」「ありがとう」と声が上がった。川崎市の根岸知子さん(47)は「表情がすごく好き。部屋に飾って一緒に過ごしたいと思います」と話した。
14:00
報道陣への公開始まる
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日に中国に渡ることが決まり、19日に最終公開された。
同日午後、園内への報道陣の入場が始まった。
シャンシャンは普段通り、木組みの寝台の上で仰向けに寝たり、体を起こしてあくびしたり。観客の方に向いてむしゃむしゃとタケを食べ始めた。
一挙手一投足に観客から歓声が上がり、少しでも姿を収めようとスマートフォンなどで撮影していた。観覧時間は1人1分ずつ。時間が終わると、涙を流しながら「バイバイ」と手を振る人もいた。
14:30
生後3カ月の息子と来園、「今までありがとう」
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日に中国に渡ることが決まり、19日に最終公開された。
この日の最終公開は事前の抽選制。抽選に当たった千葉県柏市の会社員安田浩大さん(38)は、パンダの服を着せた生後3カ月の息子を連れて来た。シャンシャンは生まれた時から見守ってきたという。
息子が生まれたばかりで来園はためらっていたが、「最後なので」と思い切って訪れた。「ひっくり返っていて、ゆったりと過ごしているようで、かわいかった」。シャンシャンに「今までありがとう。向こうでも元気でね」と伝えたという。
16:00
「じゃあね、シャンシャン」 公開終える
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日に中国に渡ることが決まり、19日に最終公開された。公開は事前の抽選制で19日朝から始まり、午後4時45分に終わった。
最後の公開時間帯、最大70倍の倍率をくぐり抜けた約100人が別れを惜しんだ。ファンらは涙ながらに「じゃあね、シャンシャン」「ありがとう」などと声をかけた。シャンシャンは部屋の中を時折移動しながら、タケを食べて過ごしていた。
17:00
動物園は閉園、園の看板と写真撮る人の姿も
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日に中国に渡ることが決まり、19日に最終公開された。公開は事前の抽選制で午後4時に終わり、同5時には閉園した。
閉園時間を過ぎても、園内には多くの観覧者が写真を撮るなどして名残惜しそうに残っており、職員に案内されて出口から出てきた。パンダ舎に向かって、「バイバイ、シャンシャン」「またね!」と手を振り、涙ぐむ人もいた。
ゲートが閉まった正門前では、ライトアップされた「上野動物園」の看板をバックに、多くの人が写真を撮っていた。
17:10
動物園職員「笑顔で送り出したい」 21日に成田へ
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日に中国に渡ることが決まり、19日に最終公開された。
最後の観覧者になった東京都品川区のグラフィックデザイナー水口奈津季さん(37)は、「いつもと同じようにかわいかった。でも、最後だからつらい気持ちもありました。シャンシャンの存在が励みになっていたから、最後に会わせてくれたのかな」と話した。
17時の閉園後、園の大橋直哉教育普及課長が報道陣の取材に応じた。「多くの人が来てくれて、皆さんのシャンシャンを愛する気持ちがひしひしと伝わった」と振り返り、「シャンシャンはパンダの保全に貢献する大事な役割を担っている。無事に笑顔で送り出したい」と話した。
シャンシャンは21日、トラックで成田空港へ向かう予定だ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル